ポン・ジュノという監督が作り出す映画は、常にそこいらの有名監督の映画とは完全に一線を画す。どちらかと言うと映画好きのための映画といった方がいいか。決して一般大衆受けはしないけど、一度観だしたら最後までどっぷり釘付け。それ程までに脚本・演出が素晴らしい。「殺人の追憶」にもしてやられたが、本作もまったく低予算のお手本のような映画。おばさんが醸し出す魅惑のオープニングから度肝を抜かれ、あっと驚く展開を経て、ラストの衝撃的な収束のシナリオ。個人的にはアカデミー外国映画賞ものです。でも、不本意ながら、映画館で観るよりも、ＤＶＤ借りて自宅で鑑賞する方がしっくり来る娯楽作かな。★★★★
